祖母の家(3)

祖母の家へは母と電車で1時間くらいかけて通っていましたが、祖母の家の最寄り駅はとっても田舎の風情があって、その駅舎が大好きでした。

木造の駅舎(たぶん)で自動券売機がなく、厚くて硬くて券売機で買う切符より少し小さい切符を窓口で駅員さんから買っていました。

切符の窓口の前に木製のベンチが2,3台並んでいる列が2,3つあって、決して遠くはないのに子供ながら旅情を感じていました。

列車を待つホームの裏は田んぼが残っていて、天気が良い時、田んぼが夕焼けに染まっていたのをよく覚えています。

大人になってからその駅を訪ねてみましたが、駅舎が2階建てのエレベーター付きのものに変わっていて、駅の周りもマンションが立ち並んでいました。

あの頃の風情がほとんど感じられなくなっていて、ちょっとさみしかったです。

あのころ流行っていたのかもしれませんが、山口百恵の「いい日旅立ち」を聞くと、その駅舎や田んぼの風景を思い出し、あの駅にぴったりだなぁ、としみじみ感じます。


CM 国鉄 DISCOVER JAPAN 2 (1978年)