祖母のこと
祖母は明治26(1893)年生まれです。
17歳で祖父と結婚し、父を含め8人の子の母でした。
子供の頃、祖母の家に行ったり、家に何日か泊まりに来た時に話をすることがありましたが、小学生でしたので、話が難しくて理解できないことが多かったです。
子供の視線に降りてきてくれるタイプにはあまり感じられず、頑固で厳格な印象があります。
いつも和服を着ていて、洋服を着ていたのを見た記憶はありません。
先日、母にそのことを話したら、真夏にはたまにムームーを着ていたということでした。
私が祖母の話を多少分かるようになった頃は、祖母はもう80歳を超えていました。
祖母が話していたことで、よく覚えているのは、やっぱりこの言葉です。
「お国の為に戦った人には感謝しなければならない」
戦死した伯父は、大正7(1918)年生まれで、昭和19(1944)年に26歳で亡くなりました。
戦死を知ったのは昭和21(1946)年でその時、祖母は53歳でしたが、その時の気持ちは如何ばかりかと思います。
今の53歳よりは老いた母の印象ですが、「岸壁の母」の唄をどんな思いで聞いていたのかと思うと、言葉にならないです。
祖母は昭和62(1987)年に94歳で亡くなりました。