ペリー来航と軍楽隊
ペリーの最初の日本訪問中、何度か西洋音楽が演奏される機会があった。1853年7月10日の日曜日、サスケハナ号では安息日の礼拝が執り行われ、聖書の朗読と祈祷が捧げられた。
また、フルバンドの伴奏で300人の水夫がアイザック・ワッツの"Old Hundredth"を演奏した。
「明治時代におけるアメリカ音楽の受容」から
ソンドラ・ウィーランド・ハウ Sondra Wieland Howe /佐藤渉(訳)立命館大学
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/lcs/kiyou/pdf_26-1/RitsIILCS_26.1pp.71-78SATO.pdf
この曲はプロテスタントの讃美歌のようです。
YouTubeには教会で厳かにパイプオルガンで演奏されていましたが、ペリーの時の雰囲気に近いのはこれかな。
雰囲気を味わうにはちょっと短い(^^;
Band of the Marine Battalion - Old 100th
(1853年)7月14日木曜日、楽団が"Hail! Columbia!"を演奏する中、ペリー提督は日本に上陸した。
この曲は初代米国大統領ジョージ・ワシントンの就任式のために作曲され、最初は「大統領のマーチ」という題だった。
1931年に現在の国歌が「星条旗」になるまで、この曲は19世紀のアメリカでは事実上の国歌だったそうです。(Wikipediaほか)
大人数のバンドによる演奏がYouTube上には見つからなかったのですが、バンドのマーチは当時の日本人には初めて聞く音楽であったし、メロディーは長調でも威圧的に聞こえたかもしれません。
それだけに、これが効果的であると受け止めた日本人はいたようで、日本の軍楽隊の創設、また日本への西洋音楽の導入にとって大きな出来事だったと言えると思います。
徳川幕府の末期、諸大名が争ってヨーロッパの軍事を学んだ際、それまでの陣鐘・陣太鼓・法螺貝に代えて新式の鼓笛隊を取り入れる藩が多かったという。しかし、笛・喇叭・小太鼓・大太鼓といった程度の鼓笛隊では、兵役訓練の役にしかたたず、対外的に威信を表し、大がかりな行事を進行するための西洋式吹奏楽を要望する声が関係者の間で高まっていた。特にアメリカ・ペリー提督の艦隊に乗り組んでいた二組の軍楽隊が奏でる演奏を眼前で聞かされた藩の重役たちは、その必要性を強く感じたに違いない。