「空気拘束主義」の時代① メモ
森永康平さんのYouTubeチャンネルのゲストに浜崎洋介さんが登場しました。
森永康平のビズアップチャンネル、28人目のゲストは文芸批評家の浜崎陽介さんです☺️
— 森永康平 / 経済アナリスト (@KoheiMorinaga) 2022年7月15日
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とても興味深い議論だったのですが、整理を兼ねてメモ書き。
山本七平「空気の研究」
「全体空気拘束主義」
今ある現状の経験的な文脈が固定されている状況
「〇〇は絶対悪」
欧米社会は超越神を相対化する契機を伝統の中に組み込んでいる。
空気からの距離を保っている。
日本にも近代以前には武士道などが、現状的な文脈からの距離を取る態度を教えてくれていたが、近代でそれを捨て去ったので、近現代人はそれ以前の人たちよりも空気に弱くなった。
成り行きやムードを相対化する契機を失う。
状況に入るとその瞬間、外に出られなくなる。
調和を乱したくないので、周りをキョロキョロしながら、みんなはどう思うかを優先する。
というのが空気。
空気は不安から醸成される。
主体を支える世間が失われると不安になる。
不安から世間の穴を埋めていく空気が醸成される。
世間とは、空気とは違う。
阿部謹也「世間論」
・お互い様の関係で絆ができる
・共通時間の共有、そこからの長幼の序の成立
・長幼の序を作り出す、中心を認め合う神秘性
・神秘の中心はそれだけで周りを意味付けするが、他から意味をもらうのではないから、神秘性がある
・(中心の)神秘性を認めるかどうかで排他性や差別性が出る
この世間のルールが近代化により、西洋が入ることにより乱れる。
排他的で差別的なものが乱れ、中心を認めない人が出てきたり、過去の共通時間を持たない人が増える。
地方から東京にやってくることにより共有時間もない。
人付き合いがわからなくて孤独でバラバラになる。
世間が崩れてくると、人々は不安になりキョロキョロする。
力の強い人や大きな声の人の圧により、その火の粉が降り掛からないようにするために、それに従う。事勿れ主義的な振る舞い。
事勿れ主義の空気が広がることで、恣意的なある善悪のルールが世間の穴を埋める。
これが空気であり、合理性がほぼない。
こういう空気が醸成され、全体空気拘束主義はが生まれる恐怖。
「世間」や「空気」という言葉はほぼ同義語のような印象だが、実はまったく別もので、しかもあまり良くないものとして、空気は後から世間を補完する。
空気は消えたり出来たりするので、過去の共通時間の共有時間ができない。
現代は隣人が誰かも分からない根無草的な人が増えて、同じ日本人でありながら、共通の価値観、道徳観などが共有できてないかもしれないので、その中で調和を取ろうとすると、事後的に出てきた空気を勝手に読み解きながら、意思と関係なく振る舞っている。
前近代より近代、近代より現代の方が空気拘束主義が強い。
空気が醸成されると最後どんな科学的データも無力になる。
空気に反する事実を示しても、示すという行為そのものが不道徳なので、指弾され、炎上する。
・緊縮財政主義
・コロナ対策
・ウクライナ戦争
マクロとミクロは違うから分けて考えること
マクロで見ることは引いて見ること、引くということは、文脈の外に立って見るということであり、空気から自由である。
何故空気に弱くなったのか?
空気に抵抗できることは、マクロに見る、理性的に見ること。
理性を駆動するためには、理性を支えるための余裕、地盤が必要。これ(世間)がなかった。
55年体制
憲法で定められているから戦争はしない、いざとなったらアメリカに守ってもらう。
対米依存、対米従属
自分たちがどう生きて、どういう危機においてどう振る舞うのか、思考実験をまったく行っていない。
学校や大学ではしていないし、個人で関係性の中で考えるしかない状況。
国家主権が何かが分からないので、それが溶解する。国家理性も分からない。ミクロとマクロも分からない。
父(主体性)のモデルが戦後なくなる
(天皇からマッカーサーへ)
自分の足下で父を育てることができない
冷戦構造下での高度経済成長
アメリカの手の上で、朝鮮戦争特需で儲けながら、それを自覚できてない。
しかもアメリカを見るだけの経済成長なので、日本人の生き方、足下が見えない。
どうやって生きたらいいか分からなくて、キョロキョロする。
世界の空気を読みながら、いったん作るとその空気に拘束される。自信がない。
自信を育てるための共同性(母)が崩壊し、自分たちに合った社会の作り方がわからない。
〜1960年代 理想の時代
〜1970年代 夢の時代
〜1980年代、95年 虚構の時代
未来の可能性(虚構)によって自己喪失の穴を埋めていた。
冷戦構造が崩壊することで、ビクビクしだす。
アメリカの顔色を伺う「依存性パーソナリティ」
バブル崩壊して、未来の可能性(インフレ)の消滅により、将来への不安。
周りを見ながら火の粉が降り掛からないように事勿れ主義になる「回避性パーソナリティ」
政治においても、アメリカの機嫌を取りながら卑屈になる。今、今、今だけの空気だけで動いて、空気に従って安全運転をするだけで、なんの意思決定も、筋も、理性もない。
戦後のツケを支払わされている
戦後は日本を再び戦争をさせないために(GHQ・アメリカは)戦費を調達できないように、平和憲法を維持するために、国債発行させないための法律を作った。実は経済を弱体化させるためのものでもあった。
それに対抗できるための頭脳が日本にはなかった。
世界のパワーバランスが変わりつつある今、日本が独立するにはいい局面が来ているのではないか?
しかし、与党や野党にその力はない。
世代交代すると、日本は良くなるのか?
若い世代はエゴイストが多く、インフルエンサーもそういう人であるので、よりギスギスしかねない。