きっかけ

祖母の家での伯父の記憶は、ずっと心の片隅にあり、時折思い出したかのように蘇ります。


だけど、それは毎年8月になるとテレビでよく見る、戦争を振り返る番組で登場するモノクロ映像の特攻隊員や米艦隊に体当たりする戦闘機を見ても、伯父を思い出すくらいのものでした。


「永遠の0」が話題になった2013年の頃に、ある言論人の先生方が特攻隊のことを話している場に居合わせたことがありました。

その時、その先生は特攻隊員に対する敬意をしみじみと話されていて、聞いていた私は、その姿をイメージしていたら気持ちがジーンとして、伯父のことを思い出しました。

「実は伯父が特攻隊で亡くなったと聞いています。」と言ったのですが、いつ何処で?という疑問が言った側から湧き上がり、また特攻隊員のことについてもほとんど知らないことに気付きました。


ただ伯父を知る人がもういないことと、戦史を知るにはあまりにも範囲が広すぎると感じて、伯父のことや特攻について知るために行動を起こすにはまだぼんやりとした心持ちでした。


けれどもそのことがきっかけになったのかもしれないと、今は感じています。