2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

近代日本の軍楽隊誕生

明治2年9月、薩摩藩士の中から選ばれた30名の若者が鹿児島からイギリス船に乗って神奈川港に上陸、横浜本牧の妙香寺に寄宿した。薩摩藩軍楽伝習生たちである。薩摩藩は諸藩に先駆けて軍楽隊を組織したのである。(薩摩バンド)軍楽隊といっても肝心の楽器…

ペリー来航と軍楽隊

ペリーの最初の日本訪問中、何度か西洋音楽が演奏される機会があった。1853年7月10日の日曜日、サスケハナ号では安息日の礼拝が執り行われ、聖書の朗読と祈祷が捧げられた。また、フルバンドの伴奏で300人の水夫がアイザック・ワッツの"Old Hundredth"を演奏…

日本の伝統音楽小史(5)歌舞伎・長唄・箏と尺八・和洋における声と楽器

【日本の音楽⑪】歌舞伎 江戸の町は新興都市であったが、江戸城周辺に全国の300近い大名が居を構え、幕府直参の旗本や御家人を含めた武士の数は50万人になったといわれている。侍たちの生活を支えるため、さらに商人や職人が全国から集まり、江戸の人口は120…

日本の伝統音楽小史(4)能・三味線・人形浄瑠璃・義太夫節

【日本の音楽⑧】能 伝来音楽の散楽・猿楽が「猿楽能」へ発展し、郷土芸能の「田楽」が「田楽能」へ発展して、さらに「田楽能」に発展して、さらにその二つから「能」が形成されたのである。(「三つの君が代」) 三つの君が代―日本人の音と心の深層 作者: 内…

日本の伝統音楽小史(3)平曲・猿楽・田楽

【日本の音楽⑤】平曲 鎌倉時代、新たな権力を獲得した武士、民衆を味方にした僧侶、伝統の上にわずかに力を残した貴族の三者によって歴史の歯車が回された。そのような時代に、権力闘争と無上の世相を描写した軍記物語が現れ、中でも「平家物語」が人々に強…

日本の伝統音楽小史(2)伎楽・雅楽・声明・今様

【日本の音楽①】伎楽(きがく) 一番古い記録では5世紀に大陸から伝来したそうです。またそれとは別に、「伎楽」という仮面音楽舞踏劇も伝わり、呉舞ともいわれ、長江下流の呉(中国長江下流域)から伝わったとされ、今も毎年薬師寺で伎楽の奉納が行われてい…