踊り場でも書いてみる 読書感想文

今とてもおもしろい本を読んでいます。

ぼんやりとした不安の近代日本


文芸批評家の浜崎洋介さんの最新刊。
そして前作はこちら。

小林秀雄の「人生」論 (NHK出版新書)


これはとても読み応えがあり、深いところに届いた感じと、近現代の日本と一歩深く繋がれた感じがしました。
それは、今ここの現実と過去の日本との道筋を指し示すものでした。
言葉にしたことはないけど何となく感じていたことを、よりはっきりと言葉によって浮き彫りして、差し出された感覚。
加えて、やはりその表現力というか、これを作品として著したことそのものに感嘆しました。

しかし、

良い作品でもすぐに記憶の隙間から溢れてしまうので、今回読んでいるこの作品は、読みながら感じたり考えたことを、その都度、書いてみようと思います。

小中学校の読書感想文では、作品を読み終えてから書いていたので、そのように何となく思っていました。

例えるなら、階段の踊り場で途中経過をあれこれ言うのではなく、最上階に辿り着いてから、その道程を振り返るべき、みたいな。

だけど、ビルの階段の途中で見かけた人やモノや小さな生き物たちを、その時、感じたものが新鮮だったり、非日常的な感覚がしたり、気付きがあったり、心が揺り動かされたのに、最上階に着いたらもうその記憶がおぼろげに薄れて、最上階での印象や体感をその場だけの感想でしか表現できないのが、残念であり、悔しくもあるのです。

ということで、次回以降は階段の踊り場であっても、時には階段の途中でも、その時の感想、湧き上がって来たものを記してみようと思っています。
繰り返すことにより、積み重なり、またそれぞれがどう繋がるのかを見てみるのも楽しそうだと感じています。