2017-01-01から1年間の記事一覧

近代日本の軍楽隊誕生

明治2年9月、薩摩藩士の中から選ばれた30名の若者が鹿児島からイギリス船に乗って神奈川港に上陸、横浜本牧の妙香寺に寄宿した。薩摩藩軍楽伝習生たちである。薩摩藩は諸藩に先駆けて軍楽隊を組織したのである。(薩摩バンド)軍楽隊といっても肝心の楽器…

ペリー来航と軍楽隊

ペリーの最初の日本訪問中、何度か西洋音楽が演奏される機会があった。1853年7月10日の日曜日、サスケハナ号では安息日の礼拝が執り行われ、聖書の朗読と祈祷が捧げられた。また、フルバンドの伴奏で300人の水夫がアイザック・ワッツの"Old Hundredth"を演奏…

日本の伝統音楽小史(5)歌舞伎・長唄・箏と尺八・和洋における声と楽器

【日本の音楽⑪】歌舞伎 江戸の町は新興都市であったが、江戸城周辺に全国の300近い大名が居を構え、幕府直参の旗本や御家人を含めた武士の数は50万人になったといわれている。侍たちの生活を支えるため、さらに商人や職人が全国から集まり、江戸の人口は120…

日本の伝統音楽小史(4)能・三味線・人形浄瑠璃・義太夫節

【日本の音楽⑧】能 伝来音楽の散楽・猿楽が「猿楽能」へ発展し、郷土芸能の「田楽」が「田楽能」へ発展して、さらに「田楽能」に発展して、さらにその二つから「能」が形成されたのである。(「三つの君が代」) 三つの君が代―日本人の音と心の深層 作者: 内…

日本の伝統音楽小史(3)平曲・猿楽・田楽

【日本の音楽⑤】平曲 鎌倉時代、新たな権力を獲得した武士、民衆を味方にした僧侶、伝統の上にわずかに力を残した貴族の三者によって歴史の歯車が回された。そのような時代に、権力闘争と無上の世相を描写した軍記物語が現れ、中でも「平家物語」が人々に強…

日本の伝統音楽小史(2)伎楽・雅楽・声明・今様

【日本の音楽①】伎楽(きがく) 一番古い記録では5世紀に大陸から伝来したそうです。またそれとは別に、「伎楽」という仮面音楽舞踏劇も伝わり、呉舞ともいわれ、長江下流の呉(中国長江下流域)から伝わったとされ、今も毎年薬師寺で伎楽の奉納が行われてい…

日本の伝統音楽小史(1)

海外の伝統音楽を聴いていると、現代ポップスに通じる連綿とした繋がりを多少なりとも感じるけれど、日本の伝統音楽って何かと考えると、明らかに西洋音楽とは音階が違っている、民謡や演歌や浪曲の節回しのようなイメージで、現代のいわゆるJ-Popからはかな…

護国神社へ

8月15日は「終戦の日」として、靖国神社へ参拝する人が多いけれど、ここ数年の靖国神社は、英霊に感謝し、慰霊し、顕彰する気持ちを捧げるのを忘れたかのような、騒々しさ、愛国イベント会場然とした場所に感じられ、足が遠のいていました。 各地には護国神…

みたままつり

靖國神社のみたままつりへ行ってきました。 家にご案内の郵便は来ていたのですが、数年前に行ったときのもはや何の行事なのか分らないほどの人ごみに行くのに躊躇していたのですが、お誘いをいただいたこともあり行ってきたのですが、行ってよかったの一言。…

遺族や戦友の思い

私の祖父は、明治の終わり頃に徳島から上京して来たのですが、詳細がわからなくて、3年くらい前、家系図調査をしていた時がありました。 そこには、伯父が戦死した日と場所がフィリピン上空であると書かれていました。 その頃、ネットを見ていたら戦死した伯…

祖母のこと

祖母は明治26(1893)年生まれです。 17歳で祖父と結婚し、父を含め8人の子の母でした。 子供の頃、祖母の家に行ったり、家に何日か泊まりに来た時に話をすることがありましたが、小学生でしたので、話が難しくて理解できないことが多かったです。 子供の視…

きっかけ

祖母の家での伯父の記憶は、ずっと心の片隅にあり、時折思い出したかのように蘇ります。だけど、それは毎年8月になるとテレビでよく見る、戦争を振り返る番組で登場するモノクロ映像の特攻隊員や米艦隊に体当たりする戦闘機を見ても、伯父を思い出すくらいの…

伯父の遺影と祖母の言葉

祖母の家で何よりも忘れられないのは、部屋の奥の仏壇にあったモノクロの大きな写真と、その写真に映る人を語る祖母の言葉でした。

手抜きしたい時のごはん

平日はなかなか時間がないので、そんな日にはインスタント食品に一手間加えて、ちょっとだけオリジナルなご飯にします。

祖母の家(3)

祖母の家へは母と電車で1時間くらいかけて通っていましたが、祖母の家の最寄り駅はとっても田舎の風情があって、その駅舎が大好きでした。 木造の駅舎(たぶん)で自動券売機がなく、厚くて硬くて券売機で買う切符より少し小さい切符を窓口で駅員さんから買…

祖母の家(2)

小さいころは、家族全員で父の車に乗って年に数回遊びに行っていましたが、小学校高学年くらいの頃に、祖母が高熱を出したことをきっかけに(うろ覚え)、母が毎週末、身の回りの世話をしに行くのにくっついて行っていました。 駅から祖母の家まではバスの便…

祖母の家

祖母の家は、茨城県の利根川のすぐ側にありました。団地住まいの私には、庭のある家が憧れだったし、日の当たる縁側や生け垣にいる小さな生き物を探すのも、土手で兄達と散歩するのも大好きでした。祖母はもともとその地が故郷でしたが、祖父と結婚してから…

はじめに

小さいころから、古いもの、歴史、音楽、文化、町並み、山の見える景色、田んぼや川の土手が好きです。 日本だけでなく、外国のことにも興味・関心があり、いろんなことをしたり出かけたりしましたが、知識や教養は、(常識も)あるとは思っていません。 子…